あなたは次のような不便を感じたことはないだろうか。
例えば忙しく働いた一日がやっと終わって、ホッとしながら帰路へついたとします。
そして、やっと自宅玄関前へ到着! 玄関ドアを開け照明を点けようとスイッチに手を伸ばすも、
「中は真っ暗でスイッチの位置がよく分からない!」。これではしょうがないので手探りです。
しかし、毎日のように手探りでスイッチの位置を確認していては非常に不便だし、面倒くさいものです。
そこで、「もっと便利な方法はないのだろうか? 例えば自動で点灯してくれるとか」。
実は、そう思った時に設置すると便利なスイッチが、今回紹介する、下の「人感センサー付き かってにスイッチ」なんです。
かってにスイッチは自動でON/OFFする
さて、そもそも下の画像のようにランプ付のスイッチが設置されていれば、
わざわざ手探りしてスイッチの位置を確認する必要もないので、特に不便を感じることはないと思う。
しかし多くの家庭では、「現状、不便な思いはしているが、
これまでの習慣でこのスイッチを使い続けている!」というお宅が多いのも、また実情です。
そして、そんな消費者の声から生まれたかどうかは定かではありませんが、
実は上記の不便さを解消してくれる便利なスイッチがあるんです。
そのスイッチの何が便利かというと、「人体を検知すると自動で玄関照明を点けてくれる」という点です。
まさに冒頭に述べた不便さを解消してくれます。
ではスイッチの紹介です。
この商品はPanasonicの熱線センサ付自動スイッチといい、型番がWTK1811WKで、
商品名は「かってにスイッチ」と呼ばれています。
しかし、このWTK1811WKという型番はスイッチ本体だけなので、プレート(WTC7101W)は付いていません。
もしプレートも必要という場合には別途購入する必要があります。
また、わざわざプレートだけ別に買うのは面倒くさいという方は、下の自動スイッチ本体(WTK1811WK)と、
プレート(WTC7101W)を組合せたWTKP1811WKPが良いと思います。対応器具はLED専用となります。
withコロナ時代に必要な、下の「非接触スイッチ」も登場しました。興味のある方はぜひご覧ください。
かってにスイッチを設置すると便利な場所
さて、かってにスイッチ(熱線センサ付自動スイッチ)を設置すると便利だなと思う場所に、
内玄関・廊下・階段・洗面所・トイレ」等があります。この中から、一部の用途を簡単に説明します。
また、下は「かってにスイッチ」各部の名称です。参考にしてください。
- センサー
- 手動スイッチ
- 明るさセンサ
- 動作保持時間
- ブランクチップ
- プレート
内玄関に設置する場合
内玄関は住宅への出入りの際に必ず通る場所。
そして暗くなれば玄関内や足元を照らしてくれる照明が絶対に必要な場所でもあります。
その照明を点灯させるのに、わざわざ手動でON/OFFする片切スイッチを使うよりも、
人の動きを検知して自動で点灯してくれる「かってにスイッチ」のほうが断然便利です。
例えば下の片切スイッチ(左)を、「かってにスイッチ」(WTK1811WK )に交換すると、
スイッチに内蔵されたセンサーが人の動きを検知して自動で照明を点けてくれます。
ということは、暗くなって帰宅した場合でも、ドアを開けて玄関内へ入るだけで照明が自動的に点灯し、
あとは靴を脱ぎ、そのまま室内へと移動するだけ。そして一定時間が過ぎると「かってに消灯(OFF)」するといった動作をしてくれます。
どうでしょう。これって凄く便利だと思いませんか。
それに、このスイッチ(WTK1811WK)は、2線式や3路配線にも対応しているため、既設のスイッチと交換するだけで動作します。
そのため新たに配線工事をする必要はありません。
階段に設置する場合
階段用の照明も基本的には玄関照明と同じように、かってにスイッチを使って自動で点灯/消灯させる事ができます。
ただ、階段に設置されているスイッチは普通の片切スイッチと違い、3路スイッチ結線した3路スイッチを、
下の図のように1階と2階に1個ずつ設置しています(2階建て住宅の場合)。
この3路スイッチ、なぜ1階と2階に1個ずつ設置するかというと理由は次のようになります。
まず階段を使って1階から2階へ行く場合、1階の壁に設置された3路スイッチを押して階段照明を点灯させてから2階に上がります。
そして2階に上がりきった所の壁にも3路スイッチは設置されているので、
今度は、その2階の3路スイッチを押して消灯するという使い方をします。
以上の理由から、3路スイッチを1個だけ使っても照明を点灯させる回路はできないので、
必ず2個一組で使うようにしましょう。
また、これまで紹介してきた「WTK1811WK」は3路配線にも対応しており、
そのため、3路スイッチ結線された既設配線の場合はそのまま使えます。
なので、これまで使っていた3路スイッチを取外した後、
かってにスイッチに交換するだけですぐに機能するようになります。
また注意点としては、階段の3路スイッチをかってにスイッチに交換する場合は、1個だけではなく2個とも交換しましょう。
トイレ壁に設置する場合
トイレに設置する”かってにスイッチ”には、壁に取付けるタイプと天井に取付けるタイプの2機種があります。
ここでは型番が「WTK1614WK」という壁に取付けるタイプの設置方法と基本動作をみてみます。
因みに、このWTK1614WKという型番にはプレートが付いていませんので、必要な場合は別途入手してください。
適合プレートはWTC7101Wです。
普通、トイレのスイッチを設置する場合、トイレの内側というよりは、外側の壁に設置することが多いと思います。
しかしこの「かってにスイッチ」は人を検知して動作するという仕組みのため、
下のイラストのように、トイレ内に設置して使用します。
例えば夕方や夜中など、トイレ内が暗い状態で入っても、
この”かってにスイッチ”が人体を検知し照明を自動点灯し、それと同時に換気扇も運転(ON)します。
そして用を足し終わってトイレから出たあと、照明は自動的に消えて換気扇も設定時間経過後に遅れて運転を停止(OFF)します。
また昼間など周囲が明るいときにトイレに入った場合は照明は点灯せず、
換気扇だけが運転を開始(ON)するという動作になります。
その他、冬場の寒さ対策として換気扇の連動方法を切替えることができます。
例えば、寒い日に換気扇を回しながらトイレに入っていると、
なぜだか余計に寒く感じるという経験をした事がある人も多いはず。
そんな場合は換気扇連動切替スイッチを「入室時動作開始」ではなく、
「入室中停止・退室後動作開始」に切替て使用すると寒い思いをしなくてすむと思います。
例えば換気扇連動切替スイッチを入室時動作開始にしておくと、
「入室すると照明と同時に換気扇が動作し、照明消灯後は設定時間後に停止」します。
また、もう一方の入室中停止・退室後動作開始側に切替ておくと、
「照明が消灯すると同時に換気扇が動作し、設定時間後に停止」するという動作をします。
因みに換気扇が遅れて停止する時間設定は、5分、10分、15分、30分の4段階の中から選択し設定することができます。
WTK1614WKは100V電源が必要
このスイッチ(WTK1614WK)を設置する際の注意としては、
下記結線図に示すようにスイッチに対して100V(黒白)の電源が必要になります。
上記配線図の左側(3線配線)は電源線の2本(黒白)を端子1・2へ接続し、
スイッチ結線された照明器具と換気扇(各1本)は、それぞれの”かえり線”を所定の端子(4・6)へ接続すれば結線完了です。
もう一方の4線配線は、スイッチ結線されているわけではないので、
電源としての100Vを端子「1・2」へ接続し、照明器具の端子(3・4)と換気扇の端子(5・6)へそれぞれ接続すればOKです。
詳しくはスイッチに同梱された施工説明書(配線図)を参考にすると良いと思います。
玄関照明の片切スイッチをかってにスイッチと交換できるか見極めよう
まず、自宅に設置されている玄関照明用のスイッチを、かってにスイッチ(WTK1811WK)に交換できるかを見極めましょう。
そして最初に確認してほしいのが、玄関に設置されているスイッチの個数です。
なぜかというと、このかってにスイッチは1個で普通の埋込スイッチ2個分の設置スペースを必要とするからです。
例えば既設スイッチが2個の場合は、かってにスイッチ(WTK1811WK)上部のブランクチップを外し、
そこへワイド21用の片切スイッチや3路スイッチを組み込むことができるので交換は可能です。
しかし既設スイッチが3個設置されている埋込ボックス(1個用)を使用している場合、
語弊があるかも知れませんがWTK1811WKへの交換はできません。つまり設置するスペースが無いのです。
例えば玄関に設置されているスイッチの一般的な組合せ例を示しますと、以下のようなケースが多いと思います。
そのため「3」のケースだと、内1個は取付けできない事になってしまいます。
- 玄関だけ=1個
- 玄関+廊下=2個
- 玄関+廊下+ポーチ=3個
また、下の画像のように最初からスイッチスペース付きの機種を選んでも良いと思います。
もし、かってにスイッチ+片切スイッチ、または、かってにスイッチ+3路スイッチという組み合わせにしたい場合は、
WTK18115Wというスイッチスペース付きの機種を使用すると良いです。
上の画像のように、左がスイッチを組込む前、右が組込み後です。
それにスイッチハンドルとプレートを取付けて完成です。
また、このスイッチスペースに組込むことができるスイッチとして次の品番があります。
片切スイッチは、コスモシリーズワイド21埋込ほたるWT50519や、ほたるの付いていないWT5001、
また、3路スイッチほたる付がWT50529、
ほたるの付いていないWT5002等です。
これにスイッチハンドルは、ほたる用がWT3033Wと、ほたる無しがWT3013W、
ワイドプレートはWTC7101Wが必要になります。
既設スイッチから電線を抜取り”かってにスイッチ”に接続
現在設置されている片切スイッチを、かってにスイッチ(熱線センサ付自動スイッチ)と交換する場合、
その片切スイッチに接続されている電線を外して、かってにスイッチに接続します。
このとき、片切スイッチに接続されている電線は電圧側(黒)が1本、照明の帰り線(白又は赤)が1本のはずです。
その電圧側を、かってにスイッチの(1)の穴へ、そして照明の帰り線を(0)の穴へ接続すればOKです。
下の配線図(1箇所で検知させて使用する場合)を参照
もし交換対象が3路スイッチの場合、電線は3本接続されていますから、
上の配線図(2箇所で検知させて使用する場合)を参考に接続しましょう。
この図は離れた場所に設置している3路スイッチ2個の結線方法を示しています。
1-3、3-1電線の入れ間違いのないように注意してください。
以上簡単ですが、かってにスイッチ(熱線センサ付自動スイッチ)の交換方法でした。
※この作業には電気工事士の資格が必要です。