臭いっ! あなたは家族が使用した後のトイレに入って、そう思った事はないでしょうか。
できればその後に使用する人のために、せめて換気扇だけは回しっぱなしにしておいてほしいもの。

そうじゃないと、「何で換気扇を回しっぱなしにしないんだぁ~!」と、口喧嘩が勃発することでしょう。実際わが家でもよく起こります。
そこで、そんな回しっぱなしを解消する方法として、普通のスイッチから、電子式のタイマースイッチへ交換する方法と、そのメリットを以下に紹介します。
交換後は、換気扇が自動で停止するようになるので非常に便利になりますよ。
普通のスイッチを換気扇用として使うのは不便!
本来、下のようなタイマー機能のないスイッチは、誰かが意図的にON/OFFの操作をしなければ照明は点灯しないし、換気扇も運転しません。
また換気扇のスイッチをONにしてトイレに入った場合でも、用を足し終わった後は、そのスイッチを切る(OFF)というのが基本的な操作です。

でも、そのスイッチをOFFにしないで外出してしまったとしたら、当然ですが、換気扇はずーっと回りっぱなしです。
そして家族の誰かが帰宅して、初めてスイッチの切り忘れに気が付きます。
これでは貴重なエネルギー資源を無駄に消費してしまうし、また微々たるものかも知れませんが電気料金にも跳ね返ってきます。
そこで、そのような壁スイッチを改善するため、ごく一般的な住宅のトイレに設置されているスイッチの組合せを調べてみると、
上記画像に示したように照明と換気扇のスイッチが1個ずつという組合せが多いのが実情でした。
またこういったスイッチの場合、先に照明と換気扇のスイッチをONにしてからトイレに入ります。
そして、用を足し終えてトイレを出たあとは、両方のスイッチを「切る」というのが一連の動作です。
でもそうなると換気扇も運転を停止するため、結果としてはトイレ内に臭いがこもることになります。
これでは次にトイレに入る人が気持ちよく使用することはできません。
そこで誰もが考えるのが、スイッチを切らずに、暫らく換気扇を回しっぱなしにしておくという方法。
ですが、この事がかえってスイッチの切り忘れを引き起こす原因になっています。
そこで、このスイッチの切り忘れを防ぐ方法として最も有効なのが、タイマー式のスイッチに交換することです。
では以下にこの方法を説明します。
トイレの換気スイッチはタイマー式がおススメ!
下のスイッチは、いずれもPanasonic製のタイマースイッチです。
左のWN5276はフルカラータイプ。このスイッチは、照明と換気扇をこれ1個でコントロールでき、タイマーは3分後に遅れて切れる固定式。
そして、真ん中(WTC5383WK)と、右端(WTP54816WP)の2つは、コスモシリーズワイド21というタイプ。

右端(WTP54816WP)
真ん中のWTC5383WKもフルカラー同様、これ1個で照明と換気扇をコントロールでき、右端のWTP54816WPは、照明と換気扇を個別のスイッチでコントロールできます。
タイマーに関しては、WTC5383WKが換気扇消し遅れ0 ~ 約30分可変形で、WTP54816WPは、約10秒~30分可変形です。
交換する場合は、ご自宅の設備環境に合わせると良いですが、基本的にどの機種を使用しても、特に問題はないと思います。
次に、この3機種の交換方法を説明します。
タイマースイッチWN5276は電線本数が3本あればOK
下に示すスイッチがフルカラータイプのタイマースイッチWN5276で、3機種のうちの一つ。
見た目は小さいのですが、これ一つで照明と換気扇を立派にコントロールできます。

「えっ、でも上記の既設スイッチは、照明用と換気扇用の2個設置されているのに、
このスイッチは1個だけでいいの?本当に大丈夫?」と、疑問に思うかも知れませんが、全く問題はありません。
また、トイレ用として設置するスイッチの組み合わせとして、
先ほども述べたように「照明用と換気扇用がそれぞれ1個ずつ」というケースが多いのですが、
そういう場合の配線本数は3本なので、このスイッチで十分対応できます。
では3本の電線の内訳を示すと、1本が電圧側(黒)で、他の2本は照明器具からの帰り線が1本と、換気扇からの帰り線が1本の合計3本になります。
また、築年数の古い住宅の場合、換気扇が回っていることを示すパイロットランプが設置されていることがあります。
この場合の電線本数は電源線が2本と、帰り線が2本の、計4本の電線が必要になります。
もしこのような古いタイプのスイッチを、このタイマー式スイッチ(WN5276)と交換する場合は、電源線のうち、電圧側(黒)の1本と、帰り線が2本の、計3本だけを使います。
よって接地側(白)の電線は使わないので、テーピングしてボックス内に戻しておきましょう。
また当然ですが、これら3本の電線は、どこの穴に差し込んでも良いというわけではありません。
下のイラストに示すように、電圧側の電線は電圧側の電線穴に照明は照明側に、換気扇はFANと刻印された電線穴にそれぞれ差し込みます。

もし換気扇用の電線と照明用の電線を間違えて差し込むと、スイッチを切った直後に換気扇が止まり、照明は3分後に消えるという逆の現象が起きますので注意してください。
あと参考としてですが、このスイッチを取付ける取付枠は、新規に用意するか、問題がなければ既設スイッチのものを外して再利用しても構いません。
外し方はこちらのページ見てください。
あと、プレートも1個用(WN6001WP)が必要になるので用意しておきましょう。
タイマースイッチWN5276の動作
それでは、このタイマースイッチWN5276の動作を説明しますと、繰り返しになりますが、これ一個で照明と換気扇の二つをコントロールできます。
このうち、換気扇だけはスイッチを切った後、3分遅れで停止するようにタイマー機能が働きますので、換気扇の切り忘れということを防止できます。

ではタイマースイッチをONにした時と、OFFにした時の、照明と換気扇の動作を説明します。
スイッチ「ON」時の動作
タイマースイッチのハンドルをON(右側に倒す)にした場合、トイレの照明が点灯するのと同時に換気扇も運転を開始します。
その際、スイッチからギアを巻くような音がしますが、これは壊れているわけではないので心配はいりません。
また、倒す時に普通のスイッチより少し抵抗を感じると思いますが、これも異常ではありませんので安心してください。
スイッチ「OFF」時の動作
スイッチハンドルを左側に倒してOFFにした場合、トイレの照明は直後に消えますが、換気扇だけはタイマー機能の影響で「3分遅れての停止」となります。
希望としては、この3分の間に、しっかりとトイレ内の臭いを換気してくれれば、一応、言う事なしです。
でもこれって現在設置されている換気扇の性能に依存する問題ですから何ともいえませんが。
昼間に電灯を点ける必要がない場合の回路変更
さてトイレといっても、その設置場所は様々です。
そのため、日中に陽光が差すトイレなら、わざわざ照明を点ける必要はありません。要は換気扇だけ回ってくれたら良いわけです。

片切スイッチ(WN5001)を追加
しかし、このWN5276と交換した場合、スイッチをONにすると、照明も換気扇も同時に作動します。
なので、この仕組みでは「しっくりこない!変更したい!」という場合もあります。
- 日中はトイレ内も明るく照明は必要ない。でも換気扇だけは回ってほしい。
- 周りが暗くなってきたら、通常通り照明も換気扇も作動できる。
もしこのような仕組みに変えたいという場合は下の結線図に示すように、
タイマースイッチWN5276に、片切スイッチWN5061を追加して結線することで実現できます。

結線図の説明をしますと、下段にある片切スイッチ(新たに追加)を、「昼」か「夜」のどちらかに切り替えることによって、照明だけON/OFF可能となります。
例えば、昼間の明るい時間帯は照明を点ける必要がないという場合、片切スイッチのハンドルを「昼」側に倒しておきます。
そうすればタイマースイッチをONにしても照明は点灯しません。
逆に、トイレ内が暗くなってきたなと思ったら、今度は片切スイッチのハンドルを「夜」側に倒しておきます。
そうすればタイマースイッチをONにするのと同時に照明も点灯するようになります。
また、このタイマースイッチと片切スイッチWN5061を組み合わせた場合は、2個用のプレートが必要になりますので、事前に用意しておきましょう。
以上がタイマースイッチWN5276の設置方法でした。
WTC5383WKこれ1個で照明と換気扇を操作できる!
この「WTC5383WK」は、上記のフルカラースイッチWN5276同様、既設スイッチまでの配線が3本あれば交換可能です。
内訳は、電圧側(黒)が1本に、照明と換気扇の帰り線がそれぞれ1本ずつの、合計3本です。
結線方法は、下の結線図のように、それぞれの電線を各電線穴に接続すればOKです。

また換気扇を接続するにあたっての注意として、マニュアルには次の文言が記載されているので確認しておくと良いでしょう。
●換気扇について
当社製DCモータータイプ換気扇、電気式シャッター付換気扇、バス換気乾燥機、ナノイー発生機につきましては、下記Webサイトにアクセスしていただき「タイマスイッチ換気扇適合表」をご覧ください。
WTC5383WKの特徴と動作
この機種は、コスモシリーズワイド21と呼ばれており、上記のフルカラータイプに比べ、スイッチハンドルが大きくて操作しやすいというのが大きな特徴です。
そのため、年配の方や、お子さんでも無理なく容易にスイッチ操作ができるようになると思います。

また、フルカラータイプのスイッチは、ハンドルを「右や左」に倒して操作するのに対して、
このコスモシリーズワイド21は、一度押すとON、再度押すとOFFというふうに、押すだけでON/OFFを切換えられます。
それではスイッチをONにした時と、OFFにした時とでは、照明と換気扇の動作に違いがあるのでその説明と、その時のランプ表示の意味も併せて説明します。
トイレに「入る前」にスイッチをプッシュ!
実は、このスイッチには「ほたる機能」があり、最初から緑のランプが点灯しています。
そのため周りが暗くなってきても、スイッチの位置を容易に特定できるというメリットがあります。
操作としては、このスイッチも普通のスイッチと同じように、トイレに入る前にスイッチハンドルを押します。
すると、最初は緑の点灯だったランプが、今度は、赤の点灯に変わります。
これはトイレ内の照明が点灯状態にあるという事と、換気扇が運転中ということを示しています。
なので、トイレに入っている間は、照明も換気扇もずっと動作しています。
トイレから「出た後」にスイッチをプッシュ!
その後、トイレから出た後で、再度スイッチハンドルを押します。
すると今度は、今まで赤の点灯だったランプが消灯し、それと同時にトイレの照明は消灯します。
一方換気扇は、この時点でもまだ運転中ですが、この後、タイマーの遅延時間経過後(0~30分可変)に停止します。
換気扇の運転停止後は、ランプの表示も、元の緑色の点灯に戻ります。
因みに、このタイマースイッチ購入時の初期値は、「約3分」に設定されていますが、
もしこれを変更したいという場合は、ハンドルの下に隠れている遅延時間調整ツマミを回して任意の位置にセットしてください。
その際、先にプレートとハンドルを外さなくてはなりませんが、その外し方はマニュアルに詳しく載っているのでそちらを参照してください。
また一般的にはタイマースイッチ本体(WTC5383WK)とプレート(WTC7101W)は別売りになっていることが多いので、もし別々に入手するのであれば、以下のワイドプレートWTC7101Wをどうぞ。
照明と換気扇を個別のスイッチで操作するWTP54816WP
WTP54816WPという型番は、下の画像に示すように、2個のスイッチとプレートがセットになった製品です。
このなかで、上が照明用の「ほたるスイッチ」で、下が換気扇用の電子式タイマースイッチです。

このタイマースイッチの設定可能な時間幅は、約10秒~30分で、14段階の切替えができる可変形です。
時間設定を変更したい場合は、プレートとハンドルを外し、その下にある「時間設定ツマミ」で行います。
また、この電子式タイマースイッチを導入する場合は、次の点にも注意してください。
「このタイマースイッチは、センサ付き、DCモータータイプなど換気扇内部に電子回路が内蔵されている換気扇には使用できません」と、マニュアルに記載されています。
タイマースイッチWTP54816WPに必要な電線本数と接続方法
このスイッチも、上記タイマースイッチWN5276と同様、電線本数は全部で3本あればOKです。
内訳としては電圧側(黒)が1本、照明と換気扇の帰り線がそれぞれ1本ずつです。
それではこの電線を、下図に示す結線図のように、各スイッチの電線穴に接続していきます。

まず電圧側の電線(黒)を、照明用スイッチの電線穴(2つ有る内の1つ)に接続します。
そして残りの電線穴に、赤色で示した「わたり線」の片方を接続し、もう一方をタイマースイッチの電線穴に接続します。
すると、照明と換気扇の帰り線が1本ずつ残りますので、照明の帰り線は、上の照明用スイッチの電線穴に接続し、
もう1本の換気扇用帰り線は、下のタイマースイッチの電線穴へ接続すると結線は完了となります。
因みに、わたり線はスイッチに付属していませんので、交換した古いスイッチから取り外して使用するか、もしくは予め1.6mmの電線を用意しておきましょう。
ほたるスイッチとタイマースイッチは個別に操作できる
さて、このWTP54816WPは、WN5276と違い、照明と換気扇のON/OFF操作を、「ほたるスイッチ」と「タイマースイッチ」で個別に操作することができます。

よって、照明だけ点灯したい場合や、もしくは換気扇だけ運転させたいという場合にはとても便利です。
以下に、スイッチに付いているランプ表示の意味や、タイマースイッチの運転時間を変更する方法等を若干説明します。
ほたるスイッチ表示の意味
上のほたるスイッチには緑のランプが内蔵されていますが、そのランプが緑に点灯している時は、トイレの照明が消えていることを示しています。
そして、この状態からスイッチハンドルを一度押すと、それと同時に緑のランプは消灯し、トイレの照明は点灯します。
また、ハンドルを再度押すと、スイッチはOFFとなり、緑のランプは点灯してトイレの照明は消灯します。
このようにスイッチハンドルを押すたびにONとOFFを交互に繰り返します。
また、周りが暗くなってきた場合、この緑のランプが点灯している事で、スイッチの位置を容易に判断できるというメリットもあります。
換気扇の運転時間を変更する方法と動作切換スイッチ
トイレの使用頻度や家族構成によって、換気扇が回っていてほしい時間幅には違いがあると思います。
そんな時は、下のイラストに示す「時間設定ツマミ」を、任意の数字位置に合わせることでタイマーの時間を設定できます。
この設定を変えるには、まずプレートとハンドルを外す必要がありますので、付属のマニュアルを見ながら行ってください。
プレートとハンドルを外すと、下のイラストのように「時間設定ツマミ」と、「動作切換スイッチ」が姿を現します。

運転時間を変更する場合は、上図のように、時間設定ツマミを任意の位置(14段階)に合わせれば完了します。
設定後は、その時間が経過した後に換気扇は運転を停止します。因みに、初期設定は3分にセットされています。
動作切換スイッチとは何?
さて、動作切換スイッチとは何かというと、「遅れ停止」と「一時動作」というモードを切換えるためのスイッチのことです。
では、動作切換スイッチを「遅れ停止」にした場合と、「一時動作」にした場合では、換気扇の運転にどんな違いがあるかを説明します。
「遅れ停止」側にセットした場合の動作
このモードは「トイレに入る時から換気扇を運転させ、トイレを出た後に換気扇を停止させたい」という場合に使用します。
操作方法としては、まずトイレに入る前にスイッチハンドルを押してONにします。
すると、赤ランプが点灯し換気扇が運転中であることを示します。
そしてこのままトイレに入り用を足しますが、その間も換気扇はずーっと運転中となります。
しばらくしてトイレを出ましたら、再度スイッチハンドル押します。すると今度は赤ランプが点滅し、タイマーが作動中であることを示します。
その後換気扇は一定時間が経過したあとに停止し、ランプも消灯します。以上が「遅れ停止」の機能です。
「一時動作」側にセットした場合の動作
一時動作モードは、「トイレを出たあとに換気扇を運転させたい」という場合に使用します。
その状況を簡単に説明しますと、普通はトイレに入る前に換気扇のスイッチをONにしますが、このモードの場合、スイッチは入れません。
そのため、トイレに入っている間も換気扇は停止中ということになります。
そして、しばらくしてからトイレを出ますが、そのトイレを出た後に、このスイッチを押して換気扇を運転させるということです。
そうすれば換気扇は回り始め、その後、設定した時間を経過後に停止します。この時のランプ状態は、上記「遅れ停止」モードの時と同じ振る舞いをします。
また、冬などの寒い季節に換気扇を回すと、トイレ内が寒くて嫌だ!という場合もあります。
そんな時は、トイレを出た後に運転させる「一時動作」モードにセットするほうが良いかもしれません。
以上がトイレ換気スイッチWN5276と、WTC5383WK、WTP54816WP、3機種の交換方法でした。これで説明を終わります。
※上記3機種の作業をするにあたっては電気工事士の資格が必要です。