ビリビリガードを導入するメリット

ビリビリガード(プラグ型漏電遮断器)は、現在注目を集めている感電防止対策アイテム。

職人
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コンセントに直接差込むだけで簡単に設置でき、感電や火災のリスクを低減できる点が魅力です。

以下にプラグ型漏電遮断器導入のメリットを詳しく解説します。

ビリビリガードの種類

ビリビリガードには、以下の種類の商品があります。

  • GR-XB (漏電保護専用)
  •  GT-XC (漏電保護専用)
  • GB-XC (地絡保護・過負荷・短絡保護)
  • PD-R (漏電保護プラグ)

その違いは、漏電保護専用と、地絡保護・過負荷(電気の使い過ぎ)・短絡保護(ショート)という3つの機能を併せ持ったものがあります。

ビリビリガード (GR-XB)

フレームAF極数/素子数定格電圧定格電流定格感度電流最大動作時間
15AF2P/0E100V15A15mA0.1秒 (高速型)

GR-XB1515の機能は「漏電保護専用」で、過負荷・短絡保護機能はありません。銘板カラーはグレー・ピンク・ブルーの3色。

本体には、リセット(入)ボタン、通電ランプ(赤)、テスト(切)ボタンがあり、コンセントは2Pが2個(正面1と下面1)付いています。

ビリビリガードPlus (GT-XC1515)

フレームAF極数/素子数定格電圧定格電流定格感度電流最大動作時間
15AF2P/0E100V15A15mA0.1秒 (高速型)

GTXC1515も「漏電保護専用」で、過負荷・短絡保護機能はありません。

コンセントは2Pの接地極付にも2Pにも、切替ボタンを操作することで対応可能。

また使用する機器の電源プラグにアース線が付いている場合は、本器のアース端子にネジ留めし、コンセントに差込むことで接地できます。

ビリビリガードPlus (GB-XC1515)

フレームAF極数/素子数定格電圧定格電流定格感度電流最大動作時間
15AF2P/2E100V15A15mA0.1秒 (高速型)

GBXC1515は「漏電保護+過負荷+短絡保護」という3つの機能を持っております。

コンセントは2P接地極付にも2Pにも、切替ボタンを操作することで対応可能。

また使用する機器の電源プラグにアース線が付いている場合、本器のアース端子にネジ留めし、コンセントに差込むことで接地できます。

ビリビリガードPlus (GB-XC1506)

フレームAF極数/素子数定格電圧定格電流定格感度電流最大動作時間
15AF2P/2E100V15A6mA0.1秒 (高速型)

本器GBXC1506の保護目的は、上記GB-XC1515同様「漏電・過負荷・短絡保護」です。

定格感度電流は「6mA」と高感度なので、設置場所の上位分電盤に高感度の漏電遮断器が設置されている場合にお勧めです。

漏電保護プラグ (PD-R)

フレームAF極数/素子数定格電圧定格電流定格感度電流最大動作時間
10AF2P/1E100V10A15mA高速型0.1秒以内

本器PD-Rは、漏電(地絡)と、過電流保護機能があります。

本器に接続された電気機器が電気を使い過ぎた場合や漏電した場合は、それを検知し電気を遮断するという働きをします。

例えばオフィスビルとか病院などの清掃作業、改修工事などを想定してみてください。

現場では各種の電気機器(ポリッシャーや電動工具)等を、建物に設置されたコンセントに接続して使用する場合があると思います。

しかし、万一こうした電気機器に漏電や電気の使い過ぎといったトラブルが発生した場合、分電盤のブレーカーが動作して広範囲の電気回路に影響を与えてしまう事になる。

そこで、そんな状況を回避する手段として有用なのが、上記のビリビリガードと、このPD-Rを既設コンセントに接続して使用することです。

ポリッシャーを使って清掃中

例えばPD-Rを介して接続された電気機器が、もし漏電や過電流などのトラブルを起こした場合、PD-Rはそれを検知し、瞬時に電気を遮断するという動作をします。

このように、当該コンセントにPD-Rを接続して使用することでトラブルを局所的に収めることができ、本設の漏電遮断器には影響を及ぼしません。

しかし、分電盤に設置されている漏電遮断器の定格感度電流値によっては、次のような注意が必要です。

例えば、普通の住宅や店舗に設置されている漏電遮断器の定格感度電流というのは「30mA」が一般的です。

この電気回路のコンセントに、定格感度電流15mAのPD-Rを接続した場合、30mAの漏電遮断器よりPD-Rのほうが早く(0.1秒以内)動作して、トラブルのリスクを低減できます。

ただし、もし分電盤側にPD-Rより高感度の漏電遮断器が設置されている場合は、その漏電遮断器が先に動作する場合もあるので注意してください。

プラグ型漏電遮断器の必要性

普通、コンセントにアース端子があれば、その端子に家電製品等のアース線を繋げば感電対策としては十分です。

しかし、下のようにコンセントにアース端子がない場合には、どんな対策をすれば良いのだろうか?

アース端子のないダブルコンセント

実はそんな疑問が脳裏をよぎった時には、プラグ型漏電遮断器を導入しましょう。

プラグ型で同様の商品は数社から発売されていますが、2024年5月現在、個人的に最も知名度が高いと思うのは、テンパール工業のビリビリガードという、下の商品です。

ビリビリガードの種類

また「ビリビリガードを使用するメリットは何?」と問われたら、それは勿論、ビリビリガード本体をコンセントに差込むだけで、漏電に起因する感電や火災を低減できるという点を挙げます。

感電や火災のリスクを大幅に低減

プラグ型漏電遮断器は、電気機器の「漏電」を検知すると、瞬時に電源を遮断する仕組みを搭載しております。

この仕組みにより感電や火災のリスクを大幅に軽減し安全性を向上させているのは大きなメリットだと思う。

漏電とは、電気が本来通るべき道(回路)から漏れて、家電の筐体や地面、建物の構造体など、周囲の物質に流れ出してしまう現象のこと。

主に以下の原因によって引き起こされます。

注意ポイント

  • 電気配線や電気機器の経年劣化、絶縁体の物理的な損傷によって絶縁性能が低下すると電気が漏れる可能性が高くなる。
  • 雨漏れや結露などによって電気配線が濡れると、漏電が発生しやすくなる。

また漏電が発生すると、次のようなリスクも生じるので注意が必要です。

感電

漏電している部分に触れると感電する恐れがあります。感電の症状は、しびれや痛み、めまい、呼吸困難など様々ですが、重症の場合は死に至ることもある。

火災

漏電によって発生した熱が、周囲の可燃物を発火させて火災を引き起こす可能性がある。

電気機器の故障

漏電は、電気機器の故障の原因にもなる。

以上のように、漏電は、水濡れや経年劣化による絶縁被膜の破損などが原因で発生し、感電や火災などの重大な事故につながる可能性があります。

そこで、感電・火災・機器故障など、漏電によるリスクを大幅に低減する事ができる事を考えれば、プラグ型漏電遮断器の導入は必要だと思っています。

ビリビリガードが漏電を検出した場合の動作

ビリビリガードが漏電を検出した場合、どのように動作するのだろうか。

例えば、ビリビリガード本体に内蔵されたコンセントにつないだ冷蔵庫が絶縁不良を起こしたとします。

するとビリビリガードは漏洩電流を検出し、自動的に本体コンセントの電気を遮断します。

ビリビリガード各部の名称

この状態だと冷蔵庫には電気が流れないので、結果として感電防止につながるということになります。

またこの間は通電の有無を示すの通電ランプも消灯します。

この後、元通り通電状態に戻したい場合は、先に動作した原因を取り除いてからのリセット(入)ボタンを押します。すると、通電状態(入)にもどります。

ただ、リセット(入)ボタンを押しても直ぐに切れるようだと、何かしらの異常が起きていますので、そんな場合は電気屋さんなど専門家に点検を依頼しましょう。

ビリビリガードはアースの代わりになる?

さて「このビリビリガードをコンセントに取付ければ、これでアースの代わりは大丈夫だ!」と思う人はいると思う。

ですが、残念ですがアースの代わりにはなりません

本器ビリビリガードはプラグ型漏電遮断器という名の通り、あくまで電気機器等から漏れる電流を検出して電力を遮断する漏電遮断器。

なので、アース(接地)のように漏電電流を大地に逃がしてやることはできません。

ビリビリガード設置のメリット

普通、分電盤に組み込まれた漏電遮断器の定格感度電流は30mAです。もしこれが動作した場合、住宅内の電気は全てストップし停電状態となります。

一方ビリビリガードは、分電盤の漏電遮断器に比べ、その半分の定格感度電流(15mA)で動作します。

そして本器が動作した場合は、本器内蔵コンセントに接続された家電機器だけが電力遮断の対象ですので、住宅全体が停電になることを回避できます。

要はビリビリガードを介することで、停電の範囲を最小限に抑えることができるといったメリットがあります。

ビリビリガードの取り付け方

ビリビリガードやビリビリガードPlusの取り付け方は、商品に同梱している取扱説明書に記載されていますが、ここでは型番GR-XB1515を例に説明いたします。

GR-XB1515各部の名称と設置手順

ビリビリガード各部の名称と取付け方

step
1
ビリビリガードをコンセントに差込む

現在使っている家電製品(電子レンジや洗濯機)の電源プラグをコンセントから抜き取り、そのコンセントへ、ビリビリガードのプラグを差し込みます。

step
2
本体のコンセントに家電の電源プラグを差込む

ステップ1で抜き取った家電の電源プラグを、ビリビリガード内蔵のコンセント(②又は③)へ差込む。

以上がビリビリガードをコンセントにセットする手順です。

次に各部の名称と機能を説明します。

リセット(入)ボタン

本器が自動的に動作した場合は、その原因を取り除いてからリセット(入)ボタンを押します。すると、通電状態(入)にもどります。

通電ランプ(赤)

本器が通電状態(入)の時、このランプが点灯する。漏電で動作した場合、もしくはテストボタンを押してOFFにした場合は消灯します。

テスト(切)ボタン

定期的にテストボタンを押すことで動作確認をすることができ、またOFFにする時も使用します。

まとめ

ビリビリガードは、家庭用コンセントに接続して漏電を検知・遮断する、プラグ型の漏電遮断器。

本器コンセントに接続された機器の漏洩電流を検知し、一定値を超えると瞬時に電源を遮断する仕組み。

漏電は感電や火災の原因となるため、ビリビリガードは感電や火災を予防する効果が期待できる。

ビリビリガードを選ぶ際には以下の点に注意しよう。

【定格電流】

使用する機器の消費電力に合った定格電流のものを選びましょう。

【アース】

アース付きコンセントで使用することを前提とした製品が多いです。アースなしで使用すると効果が得られない場合があります。

【機能】

漏電検知だけでなく、過負荷検知や短絡保護などの機能が付いた製品もあります。

【ビリビリガードの注意点】

ビリビリガードはあくまでも補助的な安全装置であり、感電や火災を完全に防ぐものではありません。漏電ブレーカーの定期的な点検や、電気配線の状態の確認なども忘れずにしましょう。

  • この記事を書いた人

Taka

約20年電気工事(RC造・木造住宅)の仕事に従事。その経験をもとに電気関連の情報を当ブログで発信中。

またPCサポートに興味を持ち、CompTIA A+を取得後、現場でサポートに就く。
・第二種電気工事士
・第一種電気工事士
・CompTIA A+

-各種コンセント交換方法