アース線をつける場所がない場合の対処法を解説

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アース線をつけたいけれど「つける場所がない!」とお悩みの方へ。

この記事では、アース線をつける場所がないときの対処法や、アース線をつけることによるメリットについて解説しています。

アース端子付きコンセント
アース端子付コンセント

実際にこの記事を読むことで、あなたも安心して家電製品を使用することができるようになります。

さらに、アース線をつけることで、感電や家屋火災の防止、電気機器の保護、電気ノイズの低減などのメリットが得られます。ぜひ、この記事を参考にしてみてください。 

アース線の役割と必要性 

では、アース線の役割と必要性を説明します。
アース線とは、家電製品から漏れ出た電気を地面に逃がすための線です。感電事故や火災事故、また落雷が発生した時に、電流が電気機器から人体に流れて感電する危険がありますので、それらを防ぐ重要な役割があります。

例えば、誰かが洗濯機を使っているときに洗濯機から電気が漏れ(漏電)出してしまったら、アース線がその電気を地面に逃がしてくれます。

これにより、洗濯機を操作している人が感電するのを防いでくれます。このことからアース線というのは、次のように、

  • 漏電や落雷による感電を防ぐ
  • 電気機器の故障を防ぐ
  • 電気機器の寿命を延ばす

といった重要な役割を担っており、とても必要で不可欠な存在なのです。

アース線を付ける場所がない時の対処法 

さて、このサイトへ訪問したということは、接続するコンセントにアース線を繋ぐ端子がないという状況に直面している方かと思います。

このような場合には以下のように

  1. 既設のアース付きコンセントまでアース線を延線する
  2. プラグ型漏電遮断器を使う
  3. 新たにアース工事をする

といった、いくつかの対処法があります。①・②に関しては電気工事士の資格がなくても自己解決できます。

しかし③に関しては電気工事士の資格が必要なうえ、施工には結構な労力も知識も必要です。なので、これに関しては電気工事屋さんに依頼することをおすすめします。

では、①②③について少し説明をしますと、次のようになります。

①の場合ですが、これはアースを必要とする家電製品を設置してある場所のコンセントにアース線が引いていないという状況下で有効な方法です。

この場合は長いアース線を新規に購入するか、もしくはアース線同士をつないで長くし、それをアース端子のある既設コンセントまで延線して接続するという方法になります。

②は、普通のコンセントにプラグ型漏電遮断器を挿し込み、そのプラグ型漏電遮断器に内蔵されたコンセントに家電製品の電源プラグを挿し込んで使用するという方法です。

この方法は以下の「ビリビリガード(プラグ型漏電遮断器)の取付けは簡単!」をご覧ください。

③に関しては繰り返しになりますが、「電気工事士の資格がないとアース線の敷設作業はできません」ので、資格をお持ちでない場合は電気工事業者に依頼するようにしましょう。

アース線を延線する際に使用する工具と部材

それでは、上記①の理由でアース線を延線する際に必要な工具と部材を以下に記しますので、参考にしてください。

  • 圧着工具:圧着スリーブや端子を電線に圧着するために使用  ロブテックス(AK2MA)
  • ニッパー:電線を切断するために使用
  • ワイヤーストリッパー:電線の被覆を剝くために使用
  • ドライバー:アース端子のネジを固定するために使用
  • アース線:ELPA:KV-2005H(G)
  • Y型裸圧着端子:PS-83NH
  • 裸圧着スリーブ(P)P2(重ね合せ用):PP-2H
  • 裸圧着スリーブ(B)B2(突き合せ用):PB-2H
  • 絶縁用ビニルテープ

圧着工具と圧着スリーブはこういう場合に使おう!

家電製品に元々付いているアース線が短くて長さが足りないという場合には、単純に長めのアース線(5mや10m)を購入し、これを短いアース線と取り替えます。

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そしてその後、既設のアース付きコンセントまで延線してアース端子に接続すればOKです。(※既に別のアース線が接続されていても、それと一緒に接続して大丈夫です)

ただ、元々付いている短いアース線もそのまま利用し、このアース線と新規購入したアース線同士をつないで延線したい場合もあります。

そこで、そんな時に必要となるのが圧着工具と裸圧着スリーブのP型とB型です。

圧着工具と裸圧着スリーブの使い方

さて、それでは圧着工具と裸圧着スリーブの具体的な使用方法を説明します。

その前に、下図のようにP型スリーブは電線同士を「重ね合せ」て圧着する時に使用するスリーブで、B型スリーブは電線を「突き合せ」て圧着する時に使用するという事を理解しておきましょう。

圧着工具と裸圧着スリーブの使い方
図1
圧着工具と裸圧着スリーブの使い方
図1
一. 電線端末の被覆を剥く

先ず圧着対象の電線(アース線)端末の被覆を剥きます。

被覆を剥く目安としては、上の図のようにスリーブに芯線を通し「芯線が圧着部を貫通していること」と「電線の被覆が圧着部に入り込まないようにすること」に注意します。

圧着後の状態としては、上図1のように、スリーブと被覆の間に約1mm程度の隙間(芯線が見える)ができるように電線端末の被覆を剥いておきます。

例えば、上記(部材)で紹介したELPA製のアース線「KV-2005H(G)」は電線サイズが2mm2(sq)ですが、これを2本「重ね合わせ」て圧着する場合は、「P2」という裸圧着スリーブが必要になります。

このP2は長さが8mm程あるので、この8mmと、被覆とスリーブの隙間1mm+1mmを足して10mmとなるのですが、それより2mm程度長めにした、約12mm位の長さに剥いておけば良いでしょう。

ただ、この値はスリーブの種類によっても変わってくるので、その度に確認してから剥くようにしてください。

下の画像中、赤い円で囲った部分は、左が「重ね合わせ用」裸圧着スリーブ(P2)で、右が「突き合わせ用」の裸圧着スリーブ(B2)を圧着した様子です。このように圧着できるよう参考にしてください。

裸圧着スリーブ P型とB型
裸圧着スリーブ P型とB型
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二. スリーブをダイスの歯口にセット

スリーブを圧着工具の歯口にセットします。

下図2の圧着工具の画像を見てもらうと分かりますが、ダイスの歯口には、それぞれ「0.3/0.5・1.25・2・3.5/5.5」等の数字が刻印されており、圧着したい電線サイズに合わせて歯口を選ぶようにします。

今回の例では、アース線のサイズが2mm2 で、スリーブがP2なので、ダイスの歯口は「2」となります。

そして、この歯口の中心部とスリーブの中心が合うようにセットし、少しだけ圧着工具のハンドルを握るとスリーブを仮押さえできます。

ロブテックス製圧着工具(AK2MA)
図2
ロブテックス製圧着工具(AK2MA)
図2
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そのあとスリーブに電線を挿入し、ハンドルをゆっくり握っていくと、徐々にスリーブが圧着され、最終的にはハンドルに内蔵されたラチェットが解除されます。

このラチェット機構は、スリーブや端子の圧着不足を防止するための機能なので、ラチェットが解除されるまでしっかりと握ってください。

因みに、ラチェットが解除されないと、ハンドルは開きません。

三. 電線抜けや電線切れに注意

電線を圧着する時に注意することがあります。

それは、圧着時にスリーブの「前の端」や「後の端」を圧着してしまうと、電線抜けや電線切れの原因になるという事です。

そのため、圧着する場合は、必ず、スリーブや端子の中心部を圧着するようにしてください。

また、B型スリーブの場合は、上図1のようにスリーブの中央部分に電線止めがあるので、そこに当たるまで芯線を差込んでから圧着し、もう片方も同じように圧着します。

また、圧着が完了したあとは、忘れずにテープを巻いておきましょう。

あと、説明が前後してしまって申し訳ないのですが、実は、ここで紹介しているELPA製アース線(5m・10m)の片方の先端には、既にY型端子が取付けてあります。

なので、これをそのまま家電の筐体にネジで固定し、もう片方は、既設のアース付コンセントまで引いていき、そのアース端子へネジで固定すればOKです。

アース線を隠したい場合はモールを使おう!

さて、アース線を延線したのは良いが「部屋の隅っこで電線がむき出し状態で転がっているという様子は見栄えも悪いし、何かで隠す方法はないのだろうか?」と考える人も多いと思う。

そこで、そんな時に使用すると便利なのが、モール(配線保護カバー)という電線を収納する事のできる部材です。

使い方としては、1号モール(1本1m)を壁や床などの延線ルートに沿って貼り付けて、その中にアース線を収めるという方法だ。

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このモールを壁や床に貼り付けるためには、モールのベース底面に両面テープを自分で貼るか、もしくは貼ってあるものを購入し、その両面テープの剥離紙をはがしてから貼り付けという流れになります。

クロス(壁紙)の破れに注意!

ここで一つ注意してほしいのは、壁にモールを貼りつけた後、ちょっと曲がっているからといって、モールを一旦剝がしてやり直そうとした場合、両面テープの粘着力が影響して、壁のクロスが破けることがあります。

そこで、そんな場合に備えて、先にマスキングテープを貼ってから、その上にモールを貼ってみましょう。

ただ、マスキングテープは粘着力が弱いのでモールが落下するリスクもありますが、一度試してみても良いかと思います。

因みに、床面にモールを直接貼る場合は落下のリスクは全くありませんが、ただ、床には両面テープの粘着成分が残ることもあります。そこで、これを避けるためには、先にマスキングテープを貼ってから、その上にモールを貼りましょう。

普通のコンセントをアース付きコンセントに交換すれば良いの?

普通に考えると、「現在設置されているダブルコンセントをアース端子付きのコンセントに交換すればアースとしての機能も実現するのでは?」と考える人は多いと思います。

しかし残念ですが、アース付きのコンセントに交換するだけではダメなんです。

普通のコンセントと、アース端子付コンセント。
普通のコンセントと、アース端子付コンセント。

なぜかというと、アース端子付コンセントのアース端子と大地(地面)間は、アース用の電線を物理的に大地と繋いでおかなくてはならないからです。

もし建物が完成した後にこのアース工事を実施するという事になると、次のような面倒な作業が待ち受けています。

一点はアース線をどう引きまわすのか?といった「配線ルート」の問題。

もう一点はアース棒を打ち込む場所の見極めと、打ち込む際の注意点です。

まず、配線ルートの問題から申します。

例えば、室内のアース付きコンセントの設置場所から、室外のアース棒を打ち込む場所までの距離が離れている場合です。

この場合、配線の方法を隠蔽配線にするか、もしくは露出配線にするかで見た目と労力が大きく変わってきます。

例えば隠蔽配線にする場合、電線を天井裏に這わしたり、壁の中に入れたりと、凄く面倒な作業になりますが、見た目には違和感もなくすっきりと仕上がります。

ただ、隠蔽配線ができるかどうかは、電気工事の経験者が現場を実際に確認しないと中々判断は難しいと思います。

その一方、露出配線という方法があります。

これは、モールという配線部材を壁や天井面に張り付けて、その中に電線を収納するという方法です。

隠蔽配線に比べると、取り付けたモールが直接視界に入るため、やはり見た目はそれなりです。

また、この作業も平屋建てと2階建て以上の住宅とでは、配線に掛かる困難の度合いが極端に違います。

そのため、建物の階数が増えれば増えるほど配線工事は大変になるという事も覚えておきましょう。

アース棒を打ち込む際の注意点

また、アース工事をする場合は、条件の良い場所(地面)にアース棒を打ち込み、アース棒に接続されているリード線とコンセントのアース端子間を、

新たに配線したアース線で接続すれば作業はほぼ完了となります。(※測定もあります)

ただ、アース棒を地面に打ち込む際には注意点もあります。

それは、地中に埋設されているかもしれない配管(上下水道)やコンクリート等に注意しながらアース棒を打ち込むという事です。

アース棒を勢いよく打ち込んで配管に穴をあけたりすると、それこそ自分では復旧できないと思うので注意が必要です。

以上、アース作業を行う際に遭遇するかもしれない場面を説明しました。

実は、この作業を行うには電気工事士の資格も必要ですし、また賃貸住宅にお住まいなど、居住形態によっては工事の可否等、事情も変わってきます。

なので、こういった面倒な工事が予想される場合、賃貸の場合は管理会社に相談し、一戸建てにお住いの場合は電気工事業者などのプロに依頼した方がよいと思います。

では「現状のコンセントのままで電気を安全に使用する方法はあるのだろうか?」。

実は、ビリビリガードという商品名で、漏電電流を検出すると瞬時に電気を遮断できる、テンパール工業の「プラグ型漏電遮断器」というものがあります。

ビリビリガード(プラグ型漏電遮断器)の取付けは簡単!

この「ビリビリガード、設置する目的は何?」と問われれば、それはもちろん「家電製品が漏電した場合でも感電しないようにするため!」です。

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普通、水回りで使用する家電製品には筐体にアース線が取付けてあります。

そして、そのアース線をコンセントのアース(接地)端子と接続することで、もしも家電製品の絶縁が悪くなって漏電したとしても、筐体に接続されたアース線を通して電気を大地へ逃がしてくれます。

そしてそれと同時に分電盤に組み込まれた漏電ブレーカーが漏電電流を検知し、自動的に電気を遮断し感電を防ぐという動作をします。

一方、築年数の古い住宅の場合だと、水回りに設置されているコンセントであっても、アース端子の付いていない事は多々あるので、そんな時は家電を買い替えてもアースを取ることができません。

このような場合は先程も述べましたが、電気屋さんにアース工事の依頼をしたほうが良いと思います。

しかし諸事情で、どうしてもアース工事ができない場合もあると思います。

そんな時は、下のビリビリガード(プラグ型漏電遮断器)を取付けるという手もあります。

取付けはいたって簡単で、次のようになります。

ビリビリガード本体と各部の名称
ビリビリガード本体と各部の名称

まず、今使っている家電製品の電源プラグをコンセントから抜き取ります。

この後、このコンセントへビリビリガードのプラグ⑥を差し込みます。

そして先ほど抜き取った電源プラグを、③又は④のコンセントへ差し込んで、①のリセット(入)ボタンを押します。

すると、②の通電ランプが点灯し、家電製品にも電気が流れていることが分かるようになっています。

ビリビリガードが漏電を検出した場合の動作

では漏電を検出した場合にビリビリガードはどのように動作するのでしょうか。

例えば、ビリビリガードに繫いだ冷蔵庫の電気回路が絶縁不良を起こしたとします。

するとビリビリガードは漏電電流を検出して自動的にコンセント③・④の電気を遮断します。

この状態だと冷蔵庫には電気が流れないので、結果として感電防止につながっているということになります。

そしてこの間は通電の有無を示す、②の通電ランプも消灯しています。

この後、元通り通電状態に戻したい場合は、先に動作した原因を取り除いてから①のリセット(入)ボタンを押します。

また、もしリセット(入)ボタンを押しても直ぐに切れるようだと何かしら異常が起きていますので、そんな場合は電気屋さんなど専門家に点検を依頼しましょう。

ビリビリガードはアースの代わりになる?

さてこのビリビリガード、コンセントに取付けることでアースの代わりになるのだろうか? 実は、答えは「no」です。

このビリビリガードは、プラグ型漏電遮断器という名の通り、家電製品等から漏れる電流を検出して電力を遮断する機器です。

なので、アース(接地)のように漏電電流を大地に逃がしてやることはできません。

このビリビリガードはあくまでも漏電遮断器です。

でも次のようなメリットもあるんです。

普通、分電盤内に組み込まれた漏電遮断器が動作した場合、住宅内の電気は全てストップし停電状態となります。

一方、このビリビリガード(プラグ型漏電遮断器)が作動した場合は、この機器のコンセントに接続された家電機器(負荷)だけが電気遮断の対象になります。

このように電気の遮断される範囲が限定されることで、及ぼす影響を最小限に抑えることができます。

このビリビリガード、どんな電気製品を接続したらいい?

素朴な疑問ですが、このビリビリガードに接続できる電気製品はどんなものがあるのでしょうか?

メーカーのサイトを見ると、以下の「水気のある場所や湿気のある場所で使用する電気製品」を接続すると良いようです。

なので、感電しないかと不安な思いをされている方は要検討です。

  • 電子レンジ
  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 衣類乾燥機
  • 食器洗い機
  • 温水洗浄式便座
  • エアコン
  • 電気温水器
  • ショーケース
  • アイスボックス
  • 水中ポンプ
  • 自動販売機
  • 庭園灯
  • イルミネーション
  • DIYの電動工具
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※最近は建設現場などでも感電事故を防ぐために使用することが多くなっているようですね。

電子レンジにアースは必要? それとも必要ない?

電子レンジを購入した際、それを設置する段階になって初めて「電子レンジはアース(接地)をとる必要がある」という事を知る人もいると思います。

電子レンジ筐体にアース線を接続
電子レンジ筐体にアース線を接続

では、なぜアースをとる必要があるかというと、繰り返しになりますが、「水気のある場所や湿気の多い場所で使用する家電製品は、万が一の故障や漏電が発生した場合に感電を回避する」という目的からです。

電子レンジの画像
電子レンジの画像

なので、電子レンジを設置する場所のコンセントにアース端子が付いているのであれば、電子レンジ本体(筐体)とアース端子を付属のアース線で繋ぎましょうね。

以上、簡単でしたが、ビリビリガードの設置方法と使い方を取り上げてみました。