コンセントにアースがない! そんな時はビリビリガード
さてあなたのお家のコンセントって、下の画像のようなアース端子(接地線)はついていますか?「突然そんなこと聞かれても!」って感じですが……

でも普通はコンセントにアースがきているかどうかなど、あまり気にする人はいないですよね。しかしこれが次のような状況に直面すると変わるんですよ。^^;
家電製品を買い替えた時にアースの存在に気付く!
例えば長年使用している大型の家電製品が調子悪くなってしまい、それを今度は新しく買い替えた場合です。ここでいう大型家電とは、冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機に食器洗い機など、水気や湿気の多い場所に設置して使う家電のことです。
今までは、設置後ある程度の年数が経っている家電製品がアース(接地)されているかどうかなど気にもしなかったし、またそんな動機も無かったと思います。

例えばそんな時、新しく電子レンジを購入したとしましょう。
すると同梱されているマニュアルから使用方法を見たり、またどうすれば便利な使い方ができるかなどを調べたりすると思います。そしてそんな時に目につくのが、「安全に電子レンジを使うには、アースは必ず設置しましょう!」という文言。
また電子レンジの背面を実際に見てみると、下の画像に示すように、大抵は緑色のアース線がネジ止めされているか、又は付属品として同梱されています。
あと、この画像の中でアース付きコンセントがむき出しのまま映っていますが、これは説明する便宜上このように撮影しております。でも実際は壁面のボックスに固定され、差し込み口とアース端子以外は化粧プレートで隠れています。^^;

この時点で大体の人は、「このアース線って必ず繋がなくてはいけないものなんだ!」っていう認識を強く持つと思います。そしてこの後、家電を設置する場所のコンセントを見て気付くのが、「あれっ、このコンセントにはアース線を接続するための端子が無いっ!」 という現実です。
さぁー、一体どうしたら良いんだっ!
もちろんアース端子が無ければ線を繋ぐことはできないし、そうかといってこのまま放置しておいても、いつかは感電する日が来るかも知れない…などと、変な事ばかり想像してしまいます。しかし、この考えは決して間違っているとは思いません。
なぜかというと、湿気や水気のある場所で使用する電気製品などは、感電を防止するためにアース(接地)工事が法律で義務付けられていることからも分かるからです。
普通のコンセントをアース付きコンセントに交換すれば良いの?
普通に考えると、「現在設置されているダブルコンセントをアース端子付きのコンセントに交換すればアースとしての機能も備わるのでは?」と考える人は多いと思います。しかし残念ながらアース付きのコンセントに交換すればそれでOK!という話ではありません。

なぜかというと、アース端子付コンセントのアース端子と大地(地面)間は、100Vの電源線とは別にアース専用の電線を物理的に接地(アース)しなくてはならないからです。もし建物が完成した後にこのアース工事を実施するという事になると、次のような面倒な作業が待ち受けています。
一点はアース線をどう引きまわすのか?といった「配線ルート」の問題。もう一点はアース棒を打ち込む場所の見極めと、打ち込む際の注意点です。
まず、配線ルートの問題から申しますと、例えばアース付きコンセントの設置場所(室内)からアース棒を打ち込む場所(室外)までの距離が離れている場合です。この場合、配線の方法を隠蔽配線にするか、もしくは露出配線にするかで見た目と労力が大きく変わってきます。
例えば隠蔽配線にする場合、電線を天井裏に這わしたり、壁の中に入れたりと、凄く面倒な作業になりますが、見た目には違和感もなくすっきりと仕上がります。ただ、隠蔽配線ができるかどうかは、電気工事の経験者が現場を実際に確認しないと中々判断は難しいと思います。
その一方、露出配線という方法があります。これは、モールという配線部材を壁や天井面に張り付けて、その中に電線を収納するという方法です。隠蔽配線に比べると、取り付けたモールが直接視界に入るため、やはり見た目はそれなりです。
また、この作業も平屋建てと2階建て以上の住宅とでは、配線に掛かる困難の度合いが極端に違います。そのため、建物の階数が増えれば増えるほど配線工事は大変になるという事も覚えておきましょう。
アース棒を打ち込む際の注意点
アース工事をする場合は、条件の良い場所(地面)にアース棒を打ち込み、アース棒に接続されているリード線とコンセントのアース端子間を、新規に配線したアース線で接続すれば作業はほぼ完了となります。(※測定もあります)
ただ、アース棒を地面に打ち込む際の注意点があります。それは、地中に埋設されているかもしれない配管(上下水道)やコンクリート等に注意しながらアース棒を打ち込むという事です。勢いよく打ち込んで配管に穴をあけたりすると、それこそ自分では復旧できないと思うので注意が必要です。
以上、アース作業を行う時に遭遇するであろう困難な場面を説明しました。またこの作業には資格も必要ですし、居住形態によっては工事の可否等、事情も変わってくるので、こういった面倒な工事は電気工事業者などのプロに依頼した方がよいと思います。
では「現状のコンセントのままで電気を安全に使用する方法はあるのだろうか?」というと、実は、ビリビリガードという商品名で、漏電電流を検出すると瞬時に電気を遮断できる、テンパール工業の「プラグ型漏電遮断器」というものがあります。
ビリビリガード(プラグ型漏電遮断器)の取付けは簡単!
このビリビリガード、設置する目的は何?と問われれば、それはもちろん「家電製品が漏電した場合でも感電しないようにするため!」です。
普通、水回りで使用する家電製品には筐体にアース線が取付けてあり、それをコンセントのアース(接地)端子と接続します。そうすることで、もし家電製品の絶縁が悪くなって漏電したとしても、筐体に接続されたアース線を通して電気を大地へ逃がしてくれます。
そして、その流れを分電盤に組み込まれた漏電ブレーカーが検知すると自動的に電気を遮断して感電を防いでくれます。
一方、築年数の古い住宅の水回りに設置されているコンセントは、アース(接地)の来ていない場合も多く、家電を買い替えてもアースを取ることができません。このような場合は先程も述べましたが、電気屋さんにアース工事の依頼をしたほうが良いと思います。
しかし諸事情で、どうしてもアース工事ができない場合もあると思います。そんな時は、下のビリビリガード(プラグ型漏電遮断器)を取付けるという手もあります。取付けもいたって簡単でして、次のようになります。

まず、今使っている家電製品の電源プラグをコンセントから抜き取ります。この後、このコンセントへビリビリガードのプラグ⑥を差し込みます。 そして先ほど抜き取った電源プラグを、③又は④のコンセントへ差し込んで、①のリセット(入)ボタンを押します。
すると、②の通電ランプが点灯し、家電製品にも電気が流れていることが分かるようになっています。
ビリビリガードが漏電を検出した場合の動作
では漏電を検出した場合にビリビリガードはどのように動作するのでしょうか。
例えば、ビリビリガードに繫いだ冷蔵庫の電気回路が絶縁不良を起こしたとします。するとビリビリガードは漏電電流を検出して自動的にコンセント③・④の電気を遮断します。この状態だと冷蔵庫には電気が流れないので、結果として感電防止につながっているということになります。
そしてこの間は通電の有無を示す、②の通電ランプも消灯しています。この後、元通り通電状態に戻したい場合は、先に動作した原因を取り除いてから①のリセット(入)ボタンを押します。
また、もしリセット(入)ボタンを押しても直ぐに切れるようだと何かしら異常が起きていますので、そんな場合は電気屋さんなど専門家に点検を依頼しましょう。
ビリビリガードはアースの代わりになる?
さてこのビリビリガード、コンセントに取付けることでアースの代わりになるのだろうか? 実は、答えは「no」です。このビリビリガードは、プラグ型漏電遮断器という名の通り、家電製品等から漏れる電流を検出して電力を遮断する機器です。なのでアース(接地)のように漏電電流を大地に逃がしてやることはできません。このビリビリガードはあくまでも漏電遮断器です。
でも次のようなメリットもあるんです。
普通、分電盤内に組み込まれた漏電遮断器が動作した場合、住宅内の電気は全てストップし停電状態となります。一方、このビリビリガード(プラグ型漏電遮断器)が作動した場合は、この機器のコンセントに接続された家電機器(負荷)だけが電気遮断の対象になります。
このように電気の遮断される範囲が限定されることで、及ぼす影響を最小限に抑えることができます。^^;
このビリビリガード、どんな電気製品を接続したらいい?
素朴な疑問だが、このビリビリガードに接続できる電気製品はどんなものがあるのだろうか。
メーカーのサイトを見ると、以下の水気のある場所や湿気のある場所で使用する電気製品を接続すると良いようです。なので、感電しないかと不安な思いをされている方は要検討です。
- 電子レンジ
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- 衣類乾燥機
- 食器洗い機
- 温水洗浄式便座
- エアコン
- 電気温水器
- ショーケース
- アイスボックス
- 水中ポンプ
- 自動販売機
- 庭園灯
- イルミネーション
- DIYの電動工具
※最近は建設現場などでも感電事故を防ぐために使用することが多くなっているようですね。^^
電子レンジにアースは必要? それとも必要ない?
電子レンジを購入した際、それを設置する段階になって初めて「電子レンジはアース(接地)をとる必要がある」という事を知る人もいると思います。

※アースをとるとは、電子レンジ(筐体)と大地(地面)間をアース線を介して物理的につなぐこと。
では、なぜアースをとる必要があるかというと、繰り返しになりますが、水気のある場所や湿気の多い場所で使用する家電製品は、万が一の故障や漏電が発生した場合に感電を回避するという目的からです。

なので、電子レンジを設置する場所のコンセントにアース端子が付いているのであれば、電子レンジ本体(筐体)とアース端子を付属のアース線で繋ぎましょうね。以上簡単でしたが、ビリビリガードの設置方法と使い方を取り上げてみました。