我が家の分電盤はどんな働きをしているの?

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電気の分電盤はどこのお宅にも必ず1台はあります。

しかし、「その働きを理解している人はどれくらいいるのだろうか?」と、

そんな疑問を抱きましたので、分電盤を構成している各ブレーカーの役割や機能を簡単ですが説明します

さて、普段は全く気にも留めない住まいの分電盤。

ブレーカーが落ちるなど停電状態に直面しない限りその存在を思い起こすことはありませんよね。

しかしこの分電盤、電気を使う上でとても大切な役割を担っているのです。

突然の停電に遭遇した場合でも慌てることなく対処できるように、分電盤の設置場所と各ブレーカーの働きを理解しておきましょう。

住宅用分電盤
住宅用分電盤

上の画像は単相三線式の分電盤で、ごく普通の一戸建て住宅に設置されています。(少し型が古いですがご勘弁^^;)

普通は電気屋さんか、電気保安協会の人以外はカバーを取り外す事はしないと思います。

そんな分電盤のカバーを取り外すと内部は下の画像1のようになっています。

電線やブレーカーが露出しているのを見ると、すごく危険な感じがしますよね ^^;

分電盤の各ブレーカーの働き

それでは以下に分電盤内に取り付けられている各ブレーカーの役割と働きを説明します。

下の画像にA、B、Cと記してありますが、これは説明する便宜上のものです。

  1. アンペアブレーカー
  2. 主幹ブレーカー(漏電遮断器)
  3. 配線用遮断器
分電盤の内部
A)アンペアブレーカー
B)主幹ブレーカー(漏電遮断器)
C)配線用遮断器
分電盤の内部

A:アンペアブレーカー(電流制限器)

一番左側(A)の20Aと刻印された黄色のブレーカーですが、

これはアンペアブレーカー(サービスブレーカーともリミッターともいう)といい、電力会社と契約した容量のブレーカーが取付けてあります。

このアンペアブレーカーは電力会社と私たち(各家庭)との間で契約したアンペア値を超える電流が流れた事を検知すると、

自動的に働いて電気を止める役目をしています。

もしこのアンペアブレーカーが頻繁に落ちる(切れる)ようであれば、

現在契約している容量を増やす(契約アンペアの変更手続き)など検討した方がいいと思います。

ただ、アンペアブレーカーの容量を増やすと、それに応じて月々の電気基本料金も上がります。

B:漏電遮断器(ELB)

中央(B)の漏電遮断器は漏電ブレーカーとも呼びます。

Earth Leakage Breakerの頭文字をとって、通称ELBともいいます。さて、この漏電ブレーカー、一体どういう働きをするのだろうか。

上記画像を見ながら電気の流れを説明します。

一番左側のアンペアブレーカーの頭の部分に3本の電線ケーブルが接続されているのが見えると思います。

実は、この3本のケーブルを通って電気は運ばれてきます。それからアンペアブレーカー(電流制限器)を通過し漏電ブレーカーに入ります。

この漏電ブレーカーを取付けた以後の電気系統(Cの配線用遮断器の全ての回路)に漏電を感知した場合、自動的に電気を止めてくれます。

具体的に言うと、建物の天井内(天井裏)や壁の中には、コンセントやスイッチ、照明等の電線ケーブルが配線(隠ぺい配線)されています。

これらの電線ケーブルや、コンセント等に接続された電気製品が故障等により漏電があった場合でも、

この漏電ブレーカーが素早く感知し火災や感電事故を防いでくれます。

事故を未然に防止するためにも漏電ブレーカーは是非取付けておきたいものです。

C:配線用遮断器(安全ブレーカー)

最後に、(C)の配線用遮断器です。この配線用遮断器のことを安全ブレーカーともいいます。

画像1を見ても分かるように、アンペアブレーカーや漏電ブレーカーはそれぞれ1個ずつしか設置されていませんが、

配線用遮断器だけは何個も設置されています。

なぜかというと、それは、それぞれ電気の送り先が違うからです。例えば、

  1. 番回路はリビングルームの照明用
  2. 番回路は居室1・居室2の照明用
  3. 番回路は台所のコンセント用
  4. 番回路はエアコン専用回路

などと分けることができます。

このように回路を分けておけば、たとえ3番の台所コンセントに接続されている機器に異常が起きてその回路の安全ブレーカーが落ちたとしても、

1番や2番回路の照明が消えたり、4番回路のエアコンが使えなくなってしまうということはありません。

このように電気の行き先を配線用遮断器によって分けておくことで影響を最小限に抑えることができます。

この配線用遮断器に接続された電線路のことを分岐回路ともいいます。

なお配線用遮断器がこの分岐回路に流すことのできる電気量の目安は「20A」までとなっています。

くれぐれも電気の使い過ぎには気をつけましょう。簡単でしたが以上で説明を終わります。