
地震後に発生する「通電火災」を防ぐ対策として、感震ブレーカーの導入を検討する方が増えています。
近年は、既存住宅にも対応できる後付けタイプの感震ブレーカーが登場し、
電気工事を行わずに導入できる製品も選べるようになりました。
ただし、感震ブレーカーにはいくつかの種類があり、
製品ごとに設置方法や向いている住宅環境が異なります。
当記事では後付け可能な感震ブレーカーの代表的な具体例を挙げながら、
設置方法や選び方のポイントを整理します。

後付けできる感震ブレーカーにはどんな種類がある?
感震ブレーカーは、大きく分けて以下の3タイプがあります。
ここでは詳細に踏み込まず、違いの全体像だけを整理します。
分電盤タイプ(後付け対応モデル)
分電盤タイプの感震ブレーカーには、元々分電盤に感震機能が内蔵されたモデルと、
既設の分電盤に「感震機能のみ」を外付けする後付けで対応する方法があります。
後付け対応は、既存の分電盤内に設けられたスペースや主幹漏電ブレーカーの種類が条件を満たす場合に、
感震センサーや感震リレー機能を追加する形で設置します。
センサーが地震の揺れを検知すると、内蔵の検知機能が主幹漏電ブレーカーに信号を送って遮断し、
通電火災のリスクを抑える仕組みです。
コンセントタイプ(差し込み式)
コンセントタイプの感震ブレーカーは、アース付きコンセントに直接差し込んで使う方式の製品で、
電気工事を必要としないタイプと、工事が必要となるタイプの両方が存在します。
工事が必要となるタイプは、コンセント内に地震を感知するセンサーが内蔵されており、
揺れを検知するとそのコンセントからの電気供給を遮断する仕組みです。
一方、工事不要の差し込み式は、戸建て住宅だけでなく賃貸住宅でも導入しやすい方式です。
簡易タイプ(ブレーカー取付型)
簡易タイプの感震ブレーカーは、分電盤の主幹ブレーカーに取り付けて使用する機械式の方式です。
地震の揺れを受けると感震機構が作動し、主幹ブレーカーの操作部を物理的に動かして電源を遮断します。
電子センサーを用いないため構造は比較的シンプルですが、
設置状況や揺れの伝わり方によって反応に差が出る場合があります。

後付け感震ブレーカーの具体例【代表的な製品】
ここからは、実際に後付け可能な感震ブレーカーの代表例を紹介します。
【例①】震太郎(X5029)|コンセントタイプ
震太郎(X5029)は、家庭用のアース付きコンセントに差し込んで使用する感震ブレーカーです。
地震を検知すると、分電盤の主幹漏電ブレーカーを作動させ、住宅全体の電源を遮断します。
特徴
- 電気工事不要で後付け可能
- 分電盤を直接工事しない方式
- 通電火災対策を手軽に始めたい家庭向け
詳しい設置条件や注意点については、以下の記事で解説しています。
【例②】zen断+|コンセントタイプ(漏電ブレーカー連動)
zen断+(ゼンダンプラス)も、コンセントに挿し込んで使用する後付け感震ブレーカーです。
地震検知後、疑似的な漏電状態を発生させ、
分電盤の主幹漏電ブレーカーを作動させる仕組みを採用しています。
ポイント
- 工事不要で導入できる
- 既存の漏電ブレーカーと連動
- 分電盤を加工しない方式
同じコンセントタイプでも、検知方式や設計思想には違いがあります。
【例③】ピオマ感震ブレーカー(UGU6A)|分電盤後付けタイプ
ピオマ感震ブレーカー(UGU6)は、
家庭用分電盤の主幹漏電ブレーカー周辺に後付けできる簡易タイプの感震ブレーカーです。
付属の両面テープやねじを使って分電盤や壁面に固定することができ、
特別な電気工事や有資格者による作業は不要で取り付けが可能です。
地震の揺れを感知すると内蔵センサーが信号を出し、
主幹漏電ブレーカーを遮断して通電火災を防ぐ仕組みになっています。
特徴
- 対応:家庭用分電盤への後付け設置が可能
- 工事:電気工事不要/資格不要で取り付け可能
- 取付方法:両面テープまたは付属ねじで固定
- 動作:地震の揺れを感知して主幹漏電ブレーカーを遮断
- ライト機能:揺れ検知後に照明を点灯するモデルあり(約3分遅延遮断機能)

具体例から分かる|後付け感震ブレーカーの選び方
具体的な製品を比較すると、選び方の軸が見えてきます。
設置方法や導入のしやすさを重視したい場合
まずは工事の有無や設置の手軽さを基準に、
導入しやすいタイプから検討したい場合の考え方です。
- コンセントに差し込んで使える工事不要タイプを選びたい
- 分電盤工事は避けたい、または難しい環境
- 賃貸住宅など、原状回復を意識する必要がある
- 製品によっては、分電盤に後付けできる工事不要タイプも選択肢に入る
遮断範囲や連動方式を重視して選びたい場合
次に、住宅全体をどのように遮断するかといった、
遮断範囲や連動方式を基準にした選び方です。
- 住宅全体の電気を一括で遮断したい
- 分電盤の主幹ブレーカーと直接連動する方式を重視したい
- 特定のコンセントだけでなく、建物全体の通電火災対策を考えたい
- 分電盤後付けタイプや、主幹連動型の製品が候補になる

後付け設置時に注意すべきポイント
どのタイプを選ぶ場合でも、以下の点は事前に確認しておく必要があります。
- 分電盤に主幹漏電ブレーカー(テストボタン付き)が設置されているか
- アース付きコンセントが使用できるか
- 医療機器など、停電が重大な影響を及ぼす機器を使用していないか

どの記事から読むべき?
感震ブレーカーについて理解を深めたい方は、
以下の順番で記事を読むのがおすすめです。
- 感震ブレーカーの仕組みや選び方を全体から知りたい
→ 感震ブレーカーの選び方と後付け対策ガイド - 後付けできる感震ブレーカーの種類や違いを比較したい
→ 本記事(後付けできる感震ブレーカーの具体例と設置方法) - 特定の製品(震太郎など)を詳しく知りたい
→ 震太郎の設置方法と注意点を解説
まとめ
後付けできる感震ブレーカーには、
- コンセントタイプ
- 分電盤後付けタイプ
- 簡易タイプ
など、いくつかの方式があります。
工事の有無や遮断範囲、設置環境によって適した製品は異なるため、
「どの方式が自宅に合うか」を整理して選ぶことが重要です。
当記事では、具体例を通じて後付け感震ブレーカーの全体像を整理しましたが、
仕組みや選び方をより詳しく知りたい場合は
感震ブレーカー全体を解説した記事も参考にしてみてください。
そこから個別製品の記事へ進むことで、無理のない通電火災対策につながります。
