現場で電気工事に携わっている方は、自主検査や竣工検査行うにあたって、既にコンテスターを使いその便利さを実感していると思う。
私も遅ればせながら神保電器のJCT-2を使ってみたので、その使用感と特徴などを紹介したいと思います。
JCT-2の特徴
コンテスターJCT-2は神保電器が製造・販売する100Vコンセント専用の検査器で、以下の特徴があります。
手のひらにすっぽり収まるほど小型で、本体重量は約60gと持ち運びに便利。
コンセントの印加電圧を確認でき、通電時は緑色のランプが点灯。
コンセントに差込むだけで電源の極性をチェックでき、正常な場合はオレンジ色の極性ランプが点灯。
プラグ刃を本体に収納できるため、かさばらない。
コンセントの接地極やアース端子が接地されているかどうかを判定できる。接地があれば緑色に点灯
JCT-2の使い方
使用に関しては、実物を見ることで直感的にわかると思いますが、本記事でも少々解説したいと思います。
下の画像を見てください。この画像はJCT-2を「表・裏・下」と3つの面から見た画像になります。
見ての通り作りは意外にシンプルですが、各ネオンランプが点灯することで、コンセント回路の状態を把握できます。
以下に各部の詳細を解説します。
当初はコンテスターを動作させるための電源として乾電池を使うものと思っていた。
ですがどこを見ても乾電池を入れるスペースがない。
実は電源は必要ないんです。全くの見当違いでした。
刃の出し入れ
ではコンセントの検査を始める前に、先ずJCT-2からプラグ刃を出します。
下の画像の裏面を見ると、赤色の円内に4本の突起が見えると思いますが、これが押ボタンです。
このボタンを押し込んでからスライドすることで、刃の出し入れができます。
因みにこの押ボタンには滑り止めが施されています。
コンセントへ挿し込む際の注意点としては、JCT-2を表面の状態で挿し込むということです。
なぜかというと、電圧側の刃と接地側の刃は巾が違うからです。
もし裏面の状態で差し込もうとしても入りませんので注意しましょう。
点検方法
ランプの点灯状態により、下記 3種類の点検と判定ができます。
コンテスターのプラグ刃をコンセントに差し込むと、100Vの場合は検電ランプが緑色に点灯します。
コンテスターを握ると自然とタッチ板に触った状態になるので、検電と同時に極性も点検できます。
極性ランプがオレンジ色に点灯すれば極性は正常です。
しかし極性が反対であればランプは点きません。
そして極性が反対のままだと、接地の有無を判定することもできないので、先に極性を正常に戻しましょう。
また一番上の200と記されたネオンランプがオレンジ色に点灯するような場合は異常なので、電圧や配線を調べましょう。
接地の有無を点検するには、接地プラグ穴にテスターリード線のプラグを挿入し本体をコンセントに差込みます。
そのあとコンセントの接地極やアース端子へテスターピンを接触させ、接地ランプが緑色に点灯すれば接地は「有り」です。
JCT-2の使用感
使用した際の感想としては、検電・極性・接地とも、ランプの点灯状態で簡単に判定できるので
点検作業がスピーディーにできるようになりました。
以前はこの作業に対する負担感がかなりあったのですが、
JCT-2を使い始めてからは気持ちが非常に楽になりました。
上の画像はコンセントにプラグ刃を差込んで点検中のもの。
この状態では検電ランプが緑色に点灯し、極性ランプはオレンジ色に点灯しています。
検査をする時に意識するのは、裏面にあるタッチ板には必ず触れるようにするということです。
なぜかというと、タッチ板に触れることで人体を仮想アースにし、回路が成り立つからです。
以上の理由から、タッチ板に触れていないと極性が正常でも極性ランプは点灯しません。
注意しましょう。
あと、上記画像ではJCT-2に隠れて指は見えませんが、中指と薬指はしっかりとタッチ板に触れています。
またこのコンセントにアース端子は無いので点灯していませんが、この状態で接地穴にリード線のプラグを差込み、
テスターピンをアース端子へ接触させれば、接地の有無を検査できます。
そして接地ランプが緑色に点灯すれば接地あり、点灯しなければ接地なしと判定できます。
接地極付コンセントの検査にはJCT-3を
2012年2月改定の内線規程で、極性付コンセントの正しい極性配線と、接地極付コンセントの正しい接地配線が義務的事項になりました。
JCT-3コンテスターはJCT-2の機能に加え、接地極付コンセントの検査にも対応しており、配線チェック時には必須のアイテム。
この1台があればコンセントの通電確認、極性検査、接地極付コンセントの検査、さらに地絡試験を簡単にできます。
JCT-3の特徴
JCT-3は主幹ELCBのある住宅用屋内電路など、コンセント回路の自主検査と完成検査に対応したコンテスターで、特徴は以下。
特徴
- 中性線(N)と接地線(E)の誤配線が検知可能
- 活線状態の電路検査において通電検査と一括して配線チェック可能
- 分電盤側に送信機が不要
- 検査対象の電路が通電されていれば1人で検査可能
- 持ち運びがしやすい軽量 / ポケットサイズ
- バッテリーが不要なエコ設計(もちろん充電も不要です)
- 検査対象の電路にELCBが施設されていることを簡単にチェックできる「地絡」テスト機能
- 接地極付コンセントと接地極のないコンセントが混在する場合も切替操作なくノンストップで検査可能
使用方法
プラグ刃の出し入れ方法と、接地極の無いコンセント検査時のピンの動きは以下のようになります。
プラグ刃の出し入れは、押ボタンを押し込んで前後にスライドすればOK
接地極のないコンセントの場合は、検査プラグをコンセントに一定の押圧で挿入すると接地ピンが後退するので、接地極のないコンセントも検査可能。
タッチ板に触った状態で極性ランプが点灯すれば、極性は正常。
接地極付(2PE)コンセントの場合
検査プラグの接地ピン接触で接地ランプが点灯すれば「接地あり」。
アースターミナル付(2P+ET)コンセントの場合
接地点検用電線(IV電線)を接地点検用電線差込口に差込みます。
そのあと接地端子に電線を接触させて接地ランプが点灯すれば「接地あり」。
試験電流切替と負荷および地絡試験
試験電流は15mAまたは30mAに切替えができます。通常は、30mA側で試験を行います。
- 負荷試験ボタン
- 地絡試験ボタン
の順にボタンを押下し判定を行います。
まとめ
神保電器のコンテスターJCT-2/JCT-3は、電気工事現場で欠かせないコンセント用の検査器。
特にJCT-3は、接地極付コンセントの検査にも対応しており、2012年2月改定の内線規程に準拠した検査が可能です。
JCT-2 / JCT-3の特長
- コンパクトで持ち運びやすく現場での作業に最適。
- ネオンランプの点灯で、検電・極性・接地状態が一目で分かり操作が簡単。
- 感電事故のリスクを低減し安全に作業できる。
- JCT-3は接地極付コンセントの検査に対応。
JCT-2とJCT-3の違い
- JCT-2は100Vコンセントの通電確認と極性検査ができる。
- JCT-3は JCT-2の機能に加え、接地極付コンセントの検査ができる。
コンテスターJCT-2//JCT-3は、電気工事の品質向上と安全確保に貢献するツールで、電気工事士にとって必須のアイテムと言えるでしょう。
現場で迅速かつ正確な検査を行うために、コンテスターJCT-2/JCT-3を活用しましょう。