
自宅の洗濯機や冷蔵庫、電子レンジなどを移動した際に、
- アース線が届かない!
- 長さが足りない!
と、困ったことはありませんか?
アース線は感電や漏電事故を防ぐ重要な安全装置です。
放置したまま使い続けるのは危険ですが、
正しい方法であればDIYで延長できるケースもあります。
この記事では、電気工事士の資格が不要な範囲に限定し、
アース線を安全に延長する方法を、圧着工具の使い方とあわせてわかりやすく解説します。
その作業、本当にDIYでやって大丈夫?
アース線延長はすべてがDIY可能な作業ではありません。
まずは「自分がやろうとしている作業がDIYで許される範囲か」を確認してください。
DIYでできる作業(資格不要)
アース線延長の中には、電気工事士の資格がなくてもDIYで行える作業があります。
まずは、安全に実施できる作業範囲を確認しておきましょう。
- 家電に付属しているアース線と延長用のアース線を接続する作業
- 既存のアース線をB形裸圧着スリーブで圧着接続する作業
- 家電のアース線をコンセントのアース端子に接続する作業
DIYでやってはいけない作業(資格が必要)
一方で、アース線に関する作業の中には電気工事士の資格が必要なものもあります。
誤って行うと違法や事故につながるため、必ず確認してください。
- アース棒を地面に打込み(接地工事)アースを新設する工事
- 壁や床の内部に配線を通す工事
- アース付きコンセントの新設・交換作業
少しでも不安を感じる場合や、作業範囲が曖昧な場合は、
無理をせず電気工事士に依頼することが最も安全です。
1. アース線延長が必要になるケース
アース線の延長が必要になるのは、すべての家庭ではありません。
まずは、どのような状況で延長が必要になるのかを確認しておきましょう。
主なケース
アース線延長が必要になるかどうかは、設置環境によって異なります。
以下に当てはまる場合は、延長や対策を検討しましょう。
- 洗濯機や冷蔵庫の設置位置を変更した
- アース端子はあるが、線の長さが足りない
- 賃貸住宅で大掛かりな工事ができない
- 家電を買い替えて配置が変わった
等、またアース線を接続せずに使い続けると、
漏電時に感電するリスクが高まるため、延長が必要な場合は早めに対処しましょう。
2. 延長作業の全体像と難易度

アース線の延長作業は、必要な工具や部材を揃え、正しい手順で丁寧に進めることが大切です。
ここでは、作業全体の流れ・難易度に加え、
実際に必要となる工具と材料の現実的な費用目安まで丁寧に解説します。
初心者でもイメージしやすい内容です。
| 項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 圧着工具(圧着ペンチ) | 4,000〜7,000円 |
| アース線 1.25mm² (5m・10m) | 5m(約600円)/ 10m(約1000円) |
| 裸圧着スリーブ B型 1.25mm (ELPA 10個入り) | 約450円 |
| 熱収縮チューブ(絶縁テープ使用の場合は必要なし) | 約500〜800円 |
| 絶縁テープ(熱収縮チューブ使用の場合は必要なし) | 約200〜500円 |
| 配線隠しカバー(モール)任意 | 約2,000円前後 |
なお、圧着工具を含めて一式を揃える場合、DIY構成でも上記金額が現実的な費用目安です。
※圧着工具をすでに持っている場合は、材料費のみで3,000円前後に抑えられます。
3. アース線延長に必要な材料と工具一覧
ここに挙げるものを揃えれば、
この後に解説する手順をすべて実行できます。
必ず必要なもの(必須)
まずは、アース線延長作業に最低限必要となる工具と材料を確認しておきましょう。
延長には、元のアース線と同等以上の太さの電線を使用してください。
- アース線(適切な長さ・太さ)
- 裸圧着スリーブB型(電線どうしをスリーブ内で突き合せて接続)
- 圧着工具(B型スリーブ対応)
- テスター(導通確認用)
- 絶縁テープまたは熱収縮チューブ
※適合しない工具や部材を使うと、接触不良や事故の原因になります。
あると便利なもの
次に、作業の安全性や仕上がりを高めるために、あると便利なものを紹介します。
- 検電器(通電確認用)
- 保護手袋
4. アース線を延長する正しい手順【圧着接続】

ここからは、アース線を安全に延長するための具体的な作業手順を解説します。
圧着工具を使用した正しい接続方法を、初心者でも迷わないよう順を追って説明します。
作業前の安全確認(必須)
作業を始める前に、感電や事故を防ぐための基本的な安全確認を必ず行ってください。
- 分電盤のブレーカーを落とす
- 家電の電源プラグを抜く
- 通電していないことを確認する
STEP1:アース線の被覆を剥く
- 被覆を約10〜12mm剥く
- 芯線を傷つけないよう注意する
被覆を剥きすぎると、
露出部分が増えて感電リスクが高まります。
STEP2:裸圧着スリーブ(B型)で圧着する
この作業には、スリーブに対応した専用の圧着工具が必要です。
- 延長したいアース線の片側を裸圧着スリーブの2つある差込口の一つに挿入
- 圧着工具で指定位置を確実に圧着
- もう一本のアース線片側を反対側の差込口に挿入
- 圧着工具で指定位置を確実に圧着
こうすることで、アース線どうしを直線的に接続することができます。
延長用途には、直線接続に適した筒状(B形)の裸圧着スリーブが扱いやすいです。
また、圧着は、ねじるだけの接続と比べて圧倒的に安全で確実です。
STEP3:絶縁処理と固定
- 圧着部分を絶縁テープでしっかり覆う
- 配線が引っ張られないよう固定する
仕上がりと耐久性を重視するなら、熱収縮チューブを使う方法がおすすめです。
動く状態のままにすると、
長期的に接触不良を起こす可能性があります。
延長したアース線を安全・きれいに処理する方法(配線カバー活用)
延長したアース線は、配線カバーで保護すると安全性と見た目の両方が向上します。
アース線を延長したあと、
床の上にそのまま配線を転がしておくのはおすすめできません。
見た目が悪いだけでなく、
- 足を引っ掛けて転倒する
- 家具の移動時に断線する
- 被覆が擦れて劣化する
といった安全面のリスクがあります。
そこで有効なのが、
配線カバー(モール)を使ってアース線を壁際に沿わせて収納する方法です。
配線カバーを使うメリット
配線カバーを使用することで、次のような効果が期待できます。
- アース線を壁の下端に沿って固定でき、見栄えが大きく改善する
- 足に引っ掛ける心配がなくなり、転倒防止につながる
- 電線を外部から保護でき、断線や被覆劣化を防止できる
- 賃貸住宅でも使いやすい(両面テープ式が多い)
電気設備の専門分野でも、
床上を露出配線のままにしないことは基本的な安全配慮とされています。
配線カバーを使う際のポイント
配線カバーを選ぶ・施工する際は、以下を意識してください。
- 壁の下端(巾木付近)に沿って施工する
- アース線1本が無理なく収まるサイズを選ぶ
- 両面テープで固定する方法であれば賃貸でも原状回復しやすい(先に壁紙保護用のマスキングテープ貼ること)
- 角部分は「コーナーパーツ」を使うと仕上がりがきれい
※アース線は電流が流れ続ける線ではありませんが、
保護と固定を行うことで長期的な安全性が向上します。
施工後は「引っ掛かり」と「浮き」がないか確認
配線カバーを取り付けた後は、
- カバーが浮いていないか
- アース線が圧迫されていないか
- 角で無理な曲がり方をしていないか
を確認しましょう。
これらをチェックしておくことで、
見た目・安全性・耐久性のすべてを確保できます。
5. 作業後に必ず行う安全チェック
延長が終わったら、必ず以下を確認してください。
- 圧着部に緩みがない
- 被覆・絶縁処理が十分
- 導通が取れている
- 家電を接続する前に異常がないか確認
ここを省略するのは非常に危険です。
6. よくあるミスとNG行為【必読】

アース線延長は手順を守れば安全に行えますが、
間違った方法では感電や火災の原因になります。
ここでは、DIYで特に多いミスや避けるべきNG行為をまとめました。
- ねじってテープを巻いただけの接続
- ビニールテープのみで固定
- 細すぎる線材を使用
- 通電状態で作業する
これらのNG行為は、感電事故だけでなく火災や機器故障の原因にもなります。
必ず正しい方法で行ってください。
7. よくある質問(FAQ)
最後に、アース線延長に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q. 延長してもアースの効果はありますか?
A. 正しく圧着・接続できていれば、効果は維持されます。
Q. 延長できる長さに制限はありますか?
A. 一般家庭では数メートル程度であれば問題ありませんが、極端に長くするのは避けましょう。
Q. 賃貸住宅でも問題ありませんか?
A. 原状回復が可能な範囲であれば問題ありません。
作業に少しでも不安がある場合や、壁内配線が必要な場合は、
無理をせず電気工事士に依頼してください。
まとめ|DIYでも「安全第一」でアース線延長を
アース線延長は、
正しい知識と工具を使えばDIYでも対応できる作業です。
ただし、
- 無理をしない
- 判断に迷ったら専門業者に依頼する
この2点を忘れないでください。
感電や漏電事故を防ぐためにも、
安全第一で作業を行いましょう。
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